2018年10月07日

【雑考】 “ ウンザウンザ “ とは何ぞや。




“ ウンザウンザ “ との出会い


僕が “ ウンザウンザ “ という意味不明な言葉と出会ったのは、バックドロップシンデレラ(以下、バクシン)というバンドを通じて。


バクシン2006年に結成された、池袋を中心に活動する日本のインディーズロックバンドでこんな曲をやっている。






彼らに興味を持って調べていると、“ ウンザウンザ “ という言葉がやたらと目につく。


自分たちの音楽を “ ウンザウンザ “ と呼んでいたり、曲のタイトルにもつけていたりする。


例を挙げると――


『 池袋でウンザウンザを踊る 』

『 少年はウンザウンザを踊る 』

『 将軍はウンザウンザを踊る 』

『 夕暮れにウンザウンザを踊る 』

『 亡霊とウンザウンザを踊る 』

『 激情とウンザウンザを踊る 』

『 太陽とウンザウンザを踊る 』

『 本気でウンザウンザを踊る 』



――と、これだけある。


だが、何の説明もないし、ググってもわからなかったし、わからなくても特に問題はなかったので、その後数年そのまま捨て置いていた


ところがつい数時間前にそのが明らかになった。


なんのことはない。「ウンザウンザ」でググったら一番上に表示されたインタビュー記事でメンバーの 豊島“ペリー来航”渉 がしゃべっているではないか。


その記事がこれ。





以下、当該箇所を引用する。


−ああ、なるほど。ところでバックドロップシンデレラといえば"ウンザウンザ"ですが、これは何なのでしょうか? ググってみたんですけどわからなくて......。

豊島:ボスニアのバンドで「Unza Unza Time」という歌を歌っているバンドがいるんです。民族音楽なんですけど、それが凄くかっこ良くて好きで。その人たちが"俺たちの音楽はウンザウンザだ"と言っているんです。で、こういう曲を作りたいなと思って作って、僕らがタイトルに"ウンザウンザ"という言葉をつけてみたら、周りやお客さんが"ウンザウンザしようぜ!"とか言い始めて、ああこりゃ楽しいなと思って(笑)。



ボスニア? Unza Unza Time? なるほど、これで積年のが氷解したぞ!


と、早速YouTubeで「Unza Unza Time」を検索してみたのだが、その後にある意味、謎の氷解以上の衝撃が待っていようとは露ほどにも予想していなかった。





今はなきユーゴスラビア


『 Unza Unza Time 』を演奏していたのは、 Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra というバンドだった。


これがその曲。





Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra という字面だけではピンと来ないかもしれない。


では、カタカナにしたらどうだろう。


エミール・クストリッツァ & ザ・ノースモーキング・オーケストラ


ここであっ!と思った人はなかなかの映画好き


そう。エミール・クストリッツァは、旧ユーゴ現ボスニア・ヘルツェコビナのサラエヴォ出身超有名な映画監督なのだ。


どのくらい超有名かというと、目立った受賞歴を挙げるだけでもこれだけある。



81年に初の長編作となる『 ドリー・ベルを憶えてる? 』でヴェネツィア国際映画祭新人監督賞を受賞。

85年『 パパは、出張中! 』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。

89年『 ジプシーのとき 』で同じくカンヌの監督賞を受賞。

92年『 アリゾナ・ドリーム 』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。

95年『 アンダーグラウンド 』で2度目となるカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。

98年『 黒猫・白猫 』でヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞。




この他にもアメリカのコロンビア大学映画学科の講師をしたり、映画の撮影で訪れたセルビアの小さな村を気に入って買い取り、自費で映画学校や映画館、レストランなどを建設して映画祭を開催したりしている、とんでもないオヤジなのである。


僕も彼の作品は大好きで、特にお気に入りな『 アンダーグラウンド 』の予告編がこちら。






これはユーゴスラビアの50年にわたる壮絶な紛争の歴史を描いた作品で、自宅の略奪や父の死など監督自身の経験も反映されているというが、それ以上に彼が生来持つ独特の陽気さとユーモアが満載の落語みたいな映画だ。


監督は自身を「ユーゴスラビア人」と称しているそうなので、そういう意味でも彼の代表作といっていいだろう。


バンドについても少し書いておこう。


クストリッツァは、86年に友人のネレ・カライリチがやっていたザ・ノースモーキング・オーケストラにギタリストとして参加するが、映画の撮影で多忙になり脱退


バンド自体も、92年ボスニア紛争による治安の悪化や、メンバー同士の政治的対立事実上解散


内戦終結後再結成し、『 アンダーグラウンド 』への音楽提供を依頼するために連絡したのがきっかけでクストリッツァは再加入


ネレ・カライリチ『 黒猫・白猫 』の音楽を手がけて以後、ほとんどのクストリッツァ作品の音楽を担当している。


上に貼った Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra 『 Unza Unza Time 』『 アンダーグラウンド 』の音楽を聴いた人のほとんどは、こういう感じが “ ウンザウンザ “ だということはなんとなくわかっても、それでどうしてバクシン“ ウンザウンザ “ なのかと疑問に思っただろう。


そこで “ ウンザウンザ “ とタイトルについている曲から、特にそれっぽい箇所のあるやつを聴いてもらおう。






これだとバイオリンのところとかそれっぽいでしょ。


これだけいろいろヒントがあるにもかかわらず、数年間気づかずにいるとはなんたるポンコツ!


でも、『 アンダーグラウンド 』好きの僕が、バクシン好きになるというのは、何かしら共通するエッセンスを感じ取っていたということだから、それはそれでなんだか嬉しいような気もする。



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posted by カチハヤ at 19:32| Comment(0) | 雑考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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