2016年03月13日

【映画の感想】『 スティーブ・ジョブズ 』



評価:★★★★☆

立川シネマシティ『 スティーブ・ジョブズ 』 を観てきた。

スティーブ・ジョブズはろくでなしだ。

周りの人間たちを罵倒し、他人のアイデアを横取りし、学生時代に同棲していた女性の産んだ子を自分の子だと認めようとしない。

確かに彼の作るものは素晴らしいが、盟友 ウォズニアックの言葉をどう捉える?

「君は何ができる? プログラムは組めないし、ハンダ付けだってできないじゃないか」

ジョブズは自分を指揮者の 小澤征爾 に例えて、自分は楽器の演奏できなくてもオーケストラの演奏をしているんだ、と答える。

それは一理あるが、小澤征爾はオーケストラのメンバーを道具のように扱ったりしただろうか

ジョブズが周囲の人間たち、あまつさえ 娘(認知は拒否していたが) にまでキツくあたったのには ワケ があったと思う。

というか、そう劇中ではほのめかされている。

それは彼が、自分は人に愛されるような人間ではない と思い込んでいたからだ。

実の親から里親に出され、最初の里親から “ 返却 ” された経験が、彼の心の水底をずっと澱ませている。

経験から、自分の周りに人が集まってくるのは 自分に才能があるからだ と確信するに至ったジョブズは、同時に あること を恐れるようにもなった。

あることとは 「普通になること」 だ。

時には 理想に外れたとしても仲間や家族を優先することが大事 なこともあるという皆が当たり前にしていることが、彼にとっては 自分の人生を否定 するような一大事なのだ。

強迫神経症的 な彼に重要な提言をするのは、またしても “ かの盟友 ” だ。

「天才であることと、人格者であることは対立項じゃないだろ」

最後に彼は、有用であるかどうかとは関係なく 自分を愛してくれる人 があり、自分もまたそれとは関係なく 愛する人がいる、ということに気づく。

『 風立ちぬ 』 とか 『 ナイトクローラー 』 のような “ 人でなし ” が主人公の映画が好きな僕としては、ちょっと残念な終わり方ではあったけど、メジャー作品というのはこういうものだし、一風変わった構成を取りつつも王道なやり方で締めくくった 脚本家アーロン・ソーキンの手並み には溜息をつくしかない。


『 スティーブ・ジョブズ 』公式HP  http://stevejobsmovie.jp/



にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
posted by カチハヤ at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック