2018年10月21日

【映画の感想】 若山富三郎の子連れ狼 『 子連れ狼 三途の川の乳母車 』






評価:★★★★☆ 大五郎、大活躍!

(※ 評価の見方 …… ★1 最低、★2 いまいち、★3 満足、★4傑作、★5 最高)



10月10日から始まった、ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー企画『 LONE WOLF AND CUB 若山富三郎の子連れ狼 』





一週間ごとに上映作品が入れ替わるこの企画。


今週、上映されるのはシリーズ第二弾である『 子連れ狼 三途の川の乳母車 』


先週に引き続き、今回も初日である10月17日(水)に鑑賞してきた。


例によって記憶を頼りにおおまかなストーリーを書きつつ、その都度感想を添えていくので、ネタバレが嫌な人はご遠慮くださいませ。





『 子連れ狼 三途の川の乳母車 』

 製作:勝新太郎、松原久晴
 原作:小池一雄(現在は、小池一夫)、小島剛夕
 脚本:小池一雄
 監督:三隅研次
( Wikipedia より )



裏柳生の策謀により職を追われた元公儀介錯人の拝一刀(若山富三郎)。息子の大五郎(富川晶宏)と復讐の旅を続ける二人を柳生の刺客が襲う。


【カチハヤ】
 いわゆるアバンタイトル。ジェットストリームアタックの元ネタのような攻撃を仕掛けてくる虚無僧コンビを拝一刀がぶった切る。この場面の動画があったので貼っておく。注目は大五郎の表情。ムーッて感じの口がかわいい。だが、大五郎が単にかわいいのはここまで。この後我々は大五郎の冥府魔道な面を知ることになる。





裏柳生、柳生烈堂の配下である黒鍬小角(小林昭二)は、明石柳生を束ねる柳生鞘香(松尾嘉代)に拝一刀殺害の命を届ける。女刺客集団である明石柳生を軽んじられたと感じた鞘香は、配下の別式女たちに命じて、小角が率いる黒鍬衆の実力者である黒鍬十内(平沢彰)を目の前で切り刻んで見せる。


【カチハヤ】
 黒鍬十内の切り刻まれ方がすごい。別式女たちが寄ってたかって彼の体を一部ずつ切断していく。まずは鼻、耳、指、腕、足、そして肉の塊のようになった体を最後に全員で刺し貫く。監督、三隅研次のスプラッター表現が炸裂!



旅路を行く一刀親子を柳生鞘香率いる別式女たちが襲いかかる。農村の娘や大道芸人などに化けた別式女の襲撃を拝一刀がバッタバッタと斬り伏せる。拝一刀にかなわないと見るや大五郎に狙いを定めるが、大五郎は乳母車に装備された武器を使って敵を串刺しにする。


【カチハヤ】
 もはやかわいいだけの大五郎はいない。乳母車のボタンをポチッとやることで訓練された女刺客を(しかもちょっと面倒臭そうにポチッとやる)いとも簡単にやっつけていく。ただ、これをダークサイドと呼んでいいのかどうかはわからない。まだ物心をつく歳でもないので、善悪の判断がつく前に当たり前のこととしてやっているとしたら、冥府魔道を行っている自覚のある父とは違う恐ろしさがあるのかもしれない。



拝一刀は四国、阿波藩から刺客依頼を受ける。阿波藩の秘密を握る男が江戸へ護送されるのでその男を斬って欲しいというもの。しかしその護送には『弁天来』と呼ばれ怖れられる凄腕の公儀護送人、左弁馬(大木実)天馬(新田昌玄)来馬(岸田森)の三兄弟がついていた。その依頼を果たすため、一刀親子は四国への船に乗る。そこには弁天来の三人と、一刀をつけてきた柳生鞘香も同船していたのだが、船は阿波藩が弁天来を殺すために一刀とは別に雇った暗殺者によって火をかけられてしまう。


【カチハヤ】
 弁天来はそれぞれ別の武器を使うのだが、それがまた常軌を逸している。弁馬がアイアンクロー、天満がトゲの付いた金棒、来馬がトゲのついたグローブと時代劇とは思えぬバラエティの豊かさ。そしてそれ以上にびっくりさせられるのは、炎上する船からの一刀親子の脱出法。まず、大五郎を救命ボートよろしく乳母車ごと海に放り投げた後、一刀は燃え盛る炎を棒高跳びで飛び越えていくのだ。ある意味、動ける巨体、若山富三郎の真骨頂ともいえる。



海中で襲ってきた柳生鞘香を組み伏せ、命からがら海岸へとたどり着いた一刀たち。一刀はいきなり鞘香の着物を剥ぎ取る。犯されてなるものかともがく鞘香だが、一刀は凍えないよう皆で裸になって温め合うつもりだった。裸で抱き合う三人。明石柳生の頭領として孤高を貫いてきた鞘香は、文字通り人肌のぬくもりを感じることになる。


【カチハヤ】
 第一作と共通するのは真ん中あたりでお色気シーンが来るということ。どうやらお色気をバイオレンスで挟む構成が本シリーズの基本構造らしい。まだ続きを観ないと断言はできないけど。



一刀親子の前に黒鍬小角配下の黒鋤衆が立ちはだかる。敵は十数人。多勢に無勢かと思われたそのとき、拝一刀は黒鋤衆に向かって大五郎の乗った乳母車を突き放す。すると乳母車の車輪から刃が飛び出て、それが黒鋤衆の足を次々に切断していく。大五郎の力で機先を制した拝一刀はその勢いのまま黒鋤衆を全滅させる。


【カチハヤ】
 前作(第一作)を観ただけだと大五郎は戦いにおいてはただの足手まといでしかなかったが、第二作に至って映画が完全なバディものと化している。TV版では、どうやら子供に人を殺させるのはまずいとの判断で大五郎のこういった活躍はカットされているらしい(未見)ので、TV版しか観たことのない人が映画版を観たらさぞ面食らうことだろう。



黒鋤衆を倒したものの自身も深手を負った一刀は意識を失ってしまう。大五郎はそんな一刀のため、口移しで水を飲ませたり、食べ物を調達してきたりする。黒鋤小角は、一刀がわざわざ息子と旅をしているのは、拝家再興の夢を息子に託すためだと考え、一刀の剣先を少しでも鈍らせようと大五郎を攫う。


【カチハヤ】
 大五郎の健気な行動の描写がすばらしい。父に水を飲ませようと、最初は手で掬っているが、何度かやってそれが無理だとわかると口に含んで持っていくところや、お地蔵さんの供え物の団子を拝借しようとするとき、代わりに自分のちゃんちゃんこをお地蔵さんに着せてやって手を合わせてから団子を貰うところなど、アクションばかりに目が行きがちだが、こういうところをちゃんと描いていることで、殺伐としたシーンとの明暗がくっきりする。



大五郎を助けに行く一刀。底なし井戸の上に吊るされた大五郎。黒鋤小角と柳生鞘香は観念しないと大五郎を殺すと迫るが、一刀は逆に「殺せ」と返す。冥府魔道を行く二人にとっては既に死の覚悟はできている。「大五郎、三途の川で母が待っておろう」 井戸の奥へ落ちていく大五郎。一刀は黒鋤小角を倒し、大五郎を引き上げる。柳生鞘花はそんな二人を前に一歩も動くことができない。


【カチハヤ】
 ここは痺れた。前にバディものだと書いておきながら、心の何処かで父と子、守る者と守られる者、という固定観念を捨てきれていなかったことを思い知らされた。幼子にしてこの覚悟。もうかわいいなんて言っていられない。かわいいけど。



阿波藩の秘密を握る男を江戸へ護送する弁天来。砂丘に差し掛かった彼らの前に大五郎が現れ、彼方を指差す。指の先には拝一刀。壮絶な死闘の末、一刀は弁天来と男を斬り伏せる。


【カチハヤ】
 弁天来との戦いで一番印象的なのは長男の弁馬の死ぬシーン。一刀に首を斬られ、気管から肺の空気が抜ける際にヒューヒューと音がする。そこで弁馬が言う。「首を斬られると、そこから空気が抜けるときに音がする。それを “ 虎落笛(もがりぶえ) “ というと聞く。いつか聴いてみたいと思っていたが、まさか自分の首で聴くことになるとは……」 首を斬られたのにずいぶん長々としゃべるなぁと思う一方、ひたすらかっこいいぜ、とも思ってしまう。もちろん後者の割合の方が上。



戦いを終えて旅路を行く一刀親子。その背後に小柄を構えた柳生鞘花が忍び寄るが、すでにその顔は明石柳生の頭領だったころの殺気立ったものではなくなっており、何もできぬまま小柄を落としてしまう。鞘香に気付きつつも、振り返ることなく旅路を行く一刀親子。


【カチハヤ】
 最初に小柄のショットから入って「斬りかかるのかな?」と思わせるが、顔が映った瞬間にもうその気がないことが観客にありありとわかる。こういうやり方は大好き。すごくかっこいい。



【 まとめ 】 第一作が設定の紹介に重きをおいていたのに対し、この第二作目は完全にアクション重視。正直言ってストーリーの順番がこれで正しいかどうかはっきりしない。それくらいアクション、アクション、アクションの連続。そしてそれだけのアクションと残酷表現をばっちり受け止めるだけの度量をこの親子が持っているということが、選りすぐられたエピソードから伝わってくる。いろいろな意味で濃密な時間を過ごさせてもらった。






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2018年10月15日

【映画の感想】 若山富三郎の子連れ狼 『 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる 』






評価:★★★☆☆ 濃い、とにかく濃い!

(※ 評価の見方 …… ★1 最低、★2 いまいち、★3 満足、★4傑作、★5 最高)



ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショーで『 LONE WOLF AND CUB 若山富三郎の子連れ狼 』という企画が始まった。





若山富三郎の殺陣は大好物なので、初日である10月10日(水)に見てきた。


第一弾のタイトルは『 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる 』


例によって記憶を頼りにおおまかなストーリーを書きつつ、その都度感想を添えていくので、ネタバレが嫌な人はご遠慮くださいませ。





『 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる 』

 製作:勝新太郎、松原久晴
 原作:小池一雄(現在は、小池一夫)、小島剛夕
 脚本:小池一雄
 監督:三隅研次
( Wikipedia より )


徳川幕府は、気に入らない藩に汚名を着せて潰すために3つの役職を作った。一つは潰すための口実を探る “ 御庭番 “ 。二つ目は暗殺を実行する “ 刺客人 “。三つ目が切腹を命じた藩主の首を斬る “ 介錯人 “である。


【カチハヤ】
 いきなりこれをナレーションでバッとやる。格式張ったところから始まって、そこからドロップアウトした主人公が無頼に生きていくよ、っていう意味でメリハリが感じられて良い。あと、上の動画でもあるけど、拝一刀が介錯する藩主が子供なのも、業が深くて “ らしい “ 。



公儀介錯人を務める拝一刀(若山富三郎)は、その役職を狙う裏柳生、柳生烈堂(伊藤権之助)の策略によって妻を殺された上に反逆者の汚名を着せられてしまう。一騎打ちで柳生蔵人(露口茂)を倒した一刀は、我が子大五郎(富川晶宏)を連れ、いつ叶うとも知れぬ復讐の旅に出る。


【カチハヤ】
 なぜか柳生蔵人と対決して倒すんだけど、柳生烈堂が審判として横にいるんだからついでに殺せばいいのに、なぜかスルーして旅に出てしまう。そこで倒したら終わっちゃうから? あと、ここでくるのが、大五郎に刀と鞠を選ばせる有名なシーン。刀を選んだら父と復讐の旅へ、鞠を選んだら一思いに母親の待つあの世へ、という究極の選択で、まだ幼くて何も理解していない大五郎は刀を選び、父とともに冥府魔道を行くという死ぬより辛い旅が始まるのだ。



「子を貸し腕貸しつかまつる」の幟を掲げ旅をする拝一刀と大五郎。途中、気の触れた女に出会う。彼女は生んだ子が不義の子だったため、相手の男とは別れさせられ、子は里子に出された。子を失ったことで気が触れてしまい、大五郎を自分の子と思い込む。彼女の母親が「子貸し」の代金を払おうとするが、一刀は受け取らない。


【カチハヤ】
 ここですごいのは、女が大五郎に乳を飲ませようとするところで、大五郎がどうしようか困って拝一刀を見ると、一刀が顎で「(やれ)」と指図して、それを見て乳を飲みだすという一連の流れ。なんなんだ、この親子は。



小神一刀は、壬生藩家老、市毛刑部(内藤武敏)から刺客依頼を受ける。それは、若君を暗殺して藩を乗っ取ろうとしている奸臣、杉戸監物(内田朝雄)一味を殺して欲しいというもの。一刀たちは、彼らが悪党どもが巣食うという湯治場へと向かう。


【カチハヤ】
 依頼の仕方がイイ。市毛刑部は腕の立つ二人の家臣と一緒に旅をしていたんだけど、拝一刀の腕前を図るため、その二人に斬りかからせ、彼らが殺されれば依頼する、という方法をとる。家臣二人もその方法に納得してやるのがすごい。どっちもどっち。冥府魔道だ。



悪党一味が集結している湯治場、郷森宿に着く。拝一刀は身分を隠してわざと彼らに捕まり、湯治客たちと一緒に監禁される。正体を悟られまいと無抵抗主義を貫く一刀だが、かばってくれた女郎のお仙(真山知子)を助けるため、悪党たちの言うがままに彼らの前でお仙とまぐわう。


【カチハヤ】
 これぞ小池一雄の真骨頂! あ、言い忘れたけど、原作の小池一夫が脚本も書いてます。ちなみにお仙を演じている真山知子は、蜷川幸雄の妻で、娘は写真家の蜷川実花。



杉田監物が郷森宿に到着し、悪党たちと計画を打ち合わせる。翌朝、悪事を決行する前に、監禁した湯治客を口封じで殺そうとするが、拝一刀が遂にその正体をあらわにし、一味を皆殺しにする。


【カチハヤ】
 若山富三郎といえば、納刀。チャンバラの最中にいちいち刀を鞘に納めるなんておかしいんだけど、若山富三郎の納刀は、とにかく絵になるのだ。さずがに何度もはやらないけど、ここでもちゃんとやってくれた。



【 まとめ 】 『 子連れ狼 』はなんとなくは知っていたが、原作も未読だったので改めて「こんな話だったのか」と確認できてよかった。大五郎は基本的には一緒にいるだけで活躍場面はほぼなかったのだが、殺伐とした中にあると、ただでさえかわいいのにそれが数十倍に増幅されるので何もしなくても許せてしまう。一刀とお仙がまぐわってる場面ではちゃんと寝ているという空気を読んだ行動にも感心した。よくできた子だ。
 この企画は一週間ごとに一本ずつ上映していく方式で、可能な限り全部観たいと思っている。






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posted by カチハヤ at 00:24| Comment(0) | 映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月07日

【雑考】 “ ウンザウンザ “ とは何ぞや。




“ ウンザウンザ “ との出会い


僕が “ ウンザウンザ “ という意味不明な言葉と出会ったのは、バックドロップシンデレラ(以下、バクシン)というバンドを通じて。


バクシン2006年に結成された、池袋を中心に活動する日本のインディーズロックバンドでこんな曲をやっている。






彼らに興味を持って調べていると、“ ウンザウンザ “ という言葉がやたらと目につく。


自分たちの音楽を “ ウンザウンザ “ と呼んでいたり、曲のタイトルにもつけていたりする。


例を挙げると――


『 池袋でウンザウンザを踊る 』

『 少年はウンザウンザを踊る 』

『 将軍はウンザウンザを踊る 』

『 夕暮れにウンザウンザを踊る 』

『 亡霊とウンザウンザを踊る 』

『 激情とウンザウンザを踊る 』

『 太陽とウンザウンザを踊る 』

『 本気でウンザウンザを踊る 』



――と、これだけある。


だが、何の説明もないし、ググってもわからなかったし、わからなくても特に問題はなかったので、その後数年そのまま捨て置いていた


ところがつい数時間前にそのが明らかになった。


なんのことはない。「ウンザウンザ」でググったら一番上に表示されたインタビュー記事でメンバーの 豊島“ペリー来航”渉 がしゃべっているではないか。


その記事がこれ。





以下、当該箇所を引用する。


−ああ、なるほど。ところでバックドロップシンデレラといえば"ウンザウンザ"ですが、これは何なのでしょうか? ググってみたんですけどわからなくて......。

豊島:ボスニアのバンドで「Unza Unza Time」という歌を歌っているバンドがいるんです。民族音楽なんですけど、それが凄くかっこ良くて好きで。その人たちが"俺たちの音楽はウンザウンザだ"と言っているんです。で、こういう曲を作りたいなと思って作って、僕らがタイトルに"ウンザウンザ"という言葉をつけてみたら、周りやお客さんが"ウンザウンザしようぜ!"とか言い始めて、ああこりゃ楽しいなと思って(笑)。



ボスニア? Unza Unza Time? なるほど、これで積年のが氷解したぞ!


と、早速YouTubeで「Unza Unza Time」を検索してみたのだが、その後にある意味、謎の氷解以上の衝撃が待っていようとは露ほどにも予想していなかった。





今はなきユーゴスラビア


『 Unza Unza Time 』を演奏していたのは、 Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra というバンドだった。


これがその曲。





Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra という字面だけではピンと来ないかもしれない。


では、カタカナにしたらどうだろう。


エミール・クストリッツァ & ザ・ノースモーキング・オーケストラ


ここであっ!と思った人はなかなかの映画好き


そう。エミール・クストリッツァは、旧ユーゴ現ボスニア・ヘルツェコビナのサラエヴォ出身超有名な映画監督なのだ。


どのくらい超有名かというと、目立った受賞歴を挙げるだけでもこれだけある。



81年に初の長編作となる『 ドリー・ベルを憶えてる? 』でヴェネツィア国際映画祭新人監督賞を受賞。

85年『 パパは、出張中! 』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。

89年『 ジプシーのとき 』で同じくカンヌの監督賞を受賞。

92年『 アリゾナ・ドリーム 』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。

95年『 アンダーグラウンド 』で2度目となるカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。

98年『 黒猫・白猫 』でヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞。




この他にもアメリカのコロンビア大学映画学科の講師をしたり、映画の撮影で訪れたセルビアの小さな村を気に入って買い取り、自費で映画学校や映画館、レストランなどを建設して映画祭を開催したりしている、とんでもないオヤジなのである。


僕も彼の作品は大好きで、特にお気に入りな『 アンダーグラウンド 』の予告編がこちら。






これはユーゴスラビアの50年にわたる壮絶な紛争の歴史を描いた作品で、自宅の略奪や父の死など監督自身の経験も反映されているというが、それ以上に彼が生来持つ独特の陽気さとユーモアが満載の落語みたいな映画だ。


監督は自身を「ユーゴスラビア人」と称しているそうなので、そういう意味でも彼の代表作といっていいだろう。


バンドについても少し書いておこう。


クストリッツァは、86年に友人のネレ・カライリチがやっていたザ・ノースモーキング・オーケストラにギタリストとして参加するが、映画の撮影で多忙になり脱退


バンド自体も、92年ボスニア紛争による治安の悪化や、メンバー同士の政治的対立事実上解散


内戦終結後再結成し、『 アンダーグラウンド 』への音楽提供を依頼するために連絡したのがきっかけでクストリッツァは再加入


ネレ・カライリチ『 黒猫・白猫 』の音楽を手がけて以後、ほとんどのクストリッツァ作品の音楽を担当している。


上に貼った Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra 『 Unza Unza Time 』『 アンダーグラウンド 』の音楽を聴いた人のほとんどは、こういう感じが “ ウンザウンザ “ だということはなんとなくわかっても、それでどうしてバクシン“ ウンザウンザ “ なのかと疑問に思っただろう。


そこで “ ウンザウンザ “ とタイトルについている曲から、特にそれっぽい箇所のあるやつを聴いてもらおう。






これだとバイオリンのところとかそれっぽいでしょ。


これだけいろいろヒントがあるにもかかわらず、数年間気づかずにいるとはなんたるポンコツ!


でも、『 アンダーグラウンド 』好きの僕が、バクシン好きになるというのは、何かしら共通するエッセンスを感じ取っていたということだから、それはそれでなんだか嬉しいような気もする。



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posted by カチハヤ at 19:32| Comment(0) | 雑考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする